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リノベと不動産の基礎講座「物件探しに大事なコト」

フィールドガレージ流に、物件購入からリノベーションまでのあれこれをお伝えする企画

 

今回で5回目となります。

前回までのリノベと不動産の基礎講座について

 

第1回

「私ってお金いくら借りられます?」

 

第2回

「中古物件ってどうなの?」

 

第3回

「諸費用っていくらかかるの?」

 

第4回

ワンストップリノベーションとは?

 

第5回

「どんな街にすみたいですか?」

 


今回は物件探しの中で感じた物件探しについてお話しさせて頂きます。

 

購入するにも、賃貸するにも、大事なのことはなんでしょうか?

 

物件探しの条件は人によって様々です。

ですが、その条件をクリアできているのか、絶対に必要な条件なのか
などなど物件探しをしていく中で少しずつ優先順位が変わったり、
自分たちには何が必要なのかなどが明確になっていきます。

その中では妥協も必要になります。

そんな今までのお客様の葛藤や悩み、妥協、などなど共に見てきた私が少しお話しさせて頂ければと思います。

 


①ルーフバルコニーとペットとお客様


 

お客様と初めてお会いしたのは夏が目の前に近づいていた7月。

どんな物件に住みたいかなどをヒアリングしていました。

その条件が

すでに犬を飼っていたのでペット可の物件が良いということ。

そして部屋は広くて、さらにルーフバルコニーは必須だというこの2点に絞られていました。

 

まず、マンションでペット可、ルーフバルコニーというこの二つだけの条件でも

見つかりにくい。

さらに希望は80㎡越え…となるとハードルはさらに高い…

しかし、幸い地区は問わないということだったため23区全土でまず予算に合うものを私は探し始めた。

 

ペット可でルーフバルコニーの物件は多少あるにしろ、やはりなかなかいい立地、環境の物件に出会えなかった。

場所は良いけど線路から近いとか、マンションからの眺望が良くなかったり…とか。
東京の東側はあんまり知らないからな…と気乗りしない物件ばかりだった。

 

物件探しに関してはこういうことは良くあることだった。

そう簡単に自分にとっての理想すべてを満たす物件などなかなかでない。
みんな最低でも5~6件は見るのが一般的だ。

 

ルーフバルコニーで検索してもなかなかひっかからないので、しらみつぶしに見ていく日々が続いた。

 

冬がやってきた。

なかなか新規でも出てこない売買物件の場合は、時間がかかることも当たり前にある。

お客様の雰囲気も「まあ、時間かけてゆっくりでいいですよ」と少し諦めにも近い空気を感じ始め、

私は少し予算をあげて、とにかく手あたり次第物件を見ていった。

 

ふと目に留まった物件。

23区の西側エリアで、下町の雰囲気もあるいいところだ。

物件の間取りをみて驚いた。

部屋と同じくらいの広さはあるバルコニー。

そしてマンションは旧耐震(昭和56年以前の建物)の古い物件だったが、すごく趣のあるヴィンテージマンション。

だが、駅から17分。

でもこのマンションの雰囲気、そしてバルコニーの広さなどからみて、なんとか予算的にも収まるかもしれないという

興奮のまま、私の手はすぐにお客様への連絡のためのメールを打っていた。

私の熱量を感じてくれたようですぐ見に行きましょう!

ということに。

駅からは確かに歩くが、桜が咲く並木道を歩ける。そしてマンション手前で少し急な階段もあるのだが、そのおかげで少し高台に建つ

マンションは眺めの良さは登った階段の分だけ想像ができた。

 

マンションの玄関はとても重厚感があり、ペットの写真が飾られたエントランスの掲示板。

丁寧な挨拶をしてくれる管理人さんに、行き届いた清掃、管理状況。

そしてお部屋の様子は全部の部屋からバルコニーに出られ、その時は葉はつけていない木々だったが、

恐らく桜であろう木が目の前にたたずんでいる。

お部屋の中も素敵な装い。

なんとも言えないノスタルジックさを感じさせる、でも古臭くない。

マンションからの眺めはとてもよかった。

一気にお客様と私も魅了された。

駅からの距離や、マンション前の階段のことなんて、この素敵なロケーションのためならどうってことなかった。

すぐにでも申し込みをしよう、ということになった。

 

ローンの審査もすぐに進めた。

だが、一つ問題があった。

金額だ。

物件の費用が少し上げて探していたため、リノベにかけれる予算がどこまで抑えられてしまうかということが懸念された。

さらにローンで借り入れができる限度額は決まっている。

それ以上は借りれない、そうなるとリノベ費用の捻出も現金か、もうリノベを最小限にするしかないかもしれない。

だがお客様は諦めていなかった。

どこまで私たちフィールドガレージができるのか。

そしてこの予算でどんなことができるのかなど。そして自分たちでDIYできる部分はあるのか。

 

設計スタッフとの打ち合わせで、予算内で満足のいくリノベができそうなことが分かり一安心した。

 

しかし難航していたのはリノベ費用だけではありませんでした。

売買の場合、購入申し込みする際に物件の価格も交渉します。

 

その金額交渉で話がまとまらないとこの話は流れてしまう。

あれだけ素敵な物件はもう出ないだろう。

お客様と売主再度とも何度も電話で打ち合わせと交渉をし、一時は売主様がやっぱり売りたくないなども言われたが

やっとのことで売主、買主共に納得してもらい

金額交渉も無事にまとまった。

 

最終的には物件価格は予算よりは上回ってしまったが、

お客様の決断力と物件がもつポテンシャルの高さで、リノベを最小限に抑えても

素敵な物件に仕上げることができ、無事に引渡しが完了した。

難しい条件でも、予算の妥協ができたことで、手に入れることができた。

 

 

引渡しの時にはちょうどバルコニーには満開の桜が出迎え、暖かい日差しが差し込んでいた。

 

 


②物件は再びやってくる


 

ある1階の物件をお客様と見ている。

もうこのお客様とは5件は見ていたかもしれない。

だが、もう希望のエリアではだいたい見切った感があり、その中でもここぞという物件に出会えておらず、

少し先行きが怪しくなっていた時期だった…。

 

 

3人家族。

いずれはもう1人増えるかもしれないと思い、希望の広さは70㎡以上。

できるだけ子供が住むには良い環境を希望していました。

そのため、今と住み慣れたエリアからは離れたくないという希望もあり、

探す地域は少し絞られていたため、

広さや築年数、予算を踏まえると物件自体は2か月程度あればその地域に出ている物件は見切ってしまうだろうなと思っていた。

 

探し始めたころお客様が自身で見つけた物件で、広さもいい、場所もいい、けど予算が高くリノベには予算はかけれなさそうな物件が出た。

いいけど、リノベはできないし…と悩んでいたら、その物件は別の誰かに購入されてしまった。

 

しょうがないねと、気持を切り替えて、再度いくつか物件を見ていくことになる。

 

その中で私は70㎡には満たない66㎡の物件を紹介した。

あまりなじみのない沿線だったこともあり、最初はお客様も気のりしていない感じだったが、

駅から徒歩5分という立地と、なんといっても日当たりの良い、目の前には高い建物もなく、抜けた眺望。

希望予算よりも安くリノベにも十分かけていけるし、毎月の返済も抑えられる。

 

66㎡だったが、リノベでうまく3部屋作ることも可能だろうと踏んでいた私だったが、

お客様はどこか煮え切らない様子だった。

 

以前購入しようか迷ったあの物件と比べるとかなり狭い。でも安い…。

 

また、本当に3部屋作って広さは確保できるのだろうかという不安。

 

ほとんど物件も見切った中で、これ以上希望の物件がでるのか…という葛藤。

1階の広めのお部屋を見ながら

「この物件は広くて良いけど、眺望や光の当たり具合が良くないんですよね…

でもフィールドガレージさんが薦めてくれている少し狭い物件は日当たりはいいけど、ほしいと思っていた平米数に満たない…

あれもこれも全部満たす物件ってないですね…でもどこを妥協したらいいのか…」

 

そう悩むお客様に私も「そうですね…難しいです…でもあの66㎡なら3室できる可能性も秘めているのと場所も立地もいい、値段も安くてリノベしがいもあると思うんですよ!」と伝えたが、決め切れずにいるお客様がいた。

 

踏み切れないことも多い。当たり前だと思う。

物件購入は大きな買い物だから。

 

「もう少し考えてみます。」とその日はそれで別れた。

 

数日後その物件を再度確認してみたら、

すでに申し込みが入ってしまったということ衝撃の事実を告げられた…。

 

物件探しではよくあることで、自分たちがほしいと思ったものは他の人もほしいと思う物のため、

さくっと他の人に持っていかれることはある。

 

前回も悩んでいた広めの物件のこともあり、今回も物件が流れてしまった…と残念に思い、お客様にも報告をした。

お客様も悩みながらも、やっぱりあの物件は良いのかもと思い始めていたそうで、

私に3部屋だとどんなプランになるのかなど相談しようと思っていたところだったそうだ。

 

残念な結果に終わってしまったが、また新たに別の物件が出てくるのを待ちましょうかということになった。

 

 

数日後、私は目を疑った。

売れてしまったはずの物件がまた出ていたのだ。

不動産屋の消し忘れか?と思い急いで確認の電話を入れる。

「以前の契約予定だったお客様の都合上、結局購入できなくなってしまったんです。なので再募集しています。」

私は心の中でガッツポーズした。

その電話を切った後、私は急いでお客様に連絡を入れた。

お客様もそれなら急いで申し込みします!と二つ返事。

 

それと同時に3部屋にする場合のプランも設計と相談し、お客様に簡単間取り図を提案した。

お客様もそれを見て、これでいきましょう!と前向きに検討。

 

すると私たちの申し込み後すぐに別の申込者も出てくるほど、やはりこの物件は人気があった。

1歩でも遅ければ先を越されていたかもしれないと思うとやはりこの物件に何か「縁」を感じていた。

 

無事にローンの審査も通り、金額の交渉もスムーズに進んだ。

そして無事に契約を結ぶことができた。

売主からのお話しでも、とても子育てには適した場所だということも知ることができた。

 

一度逃した魚は大きい。

だが、今回はまたその魚が目の前に現れてくれた奇跡。

 

 

自分たちの条件に当てはまらなくても、もしかすると実はその物件はいい物件になりえるかもしれない。

そのはずれた条件はもしかするとリノベーションで解決されることかもしれない。

 

そのために意外と大事なのは「良かったかも」と思える直観力が案外最後にはいつもキーになる。

 


③物件購入と結婚は似ている


 

いつも物件の購入のお手伝いをしていて思うことがあります。

 

物件探しは結婚のようだと。

 

人それぞれの条件があります。

人それぞれに好みもあります。

そして見定め、決める。

だが一度決めたら簡単には手放せないものです。

 

仕事柄いつも「結婚相手を探す仲人をしてるみたいだな」と思ってる。

 

下記はそんな結婚相手探しと物件探しがどこかリンクするようなお客様の様子をまとめています。

 

(1)

条件はそろっていて写真や間取りなどの様子はすごくいいのに、内見してみるとなんだか残念な感じ。

その逆もあり、写真や間取りの様子はなんだかピンとこないけど、内見してみたらすごく日当たりも良く眺望もよく雰囲気がいい!

そう、写真にだまされちゃいけない!

→お見合い写真だとすごくかっこよさげに写ってるけど実際に会ったら足がめっちゃ短かった。

 

(2)

条件から少し外れていても、町の雰囲気がとても良かったり、

眺望や日当たりが良く、外的要因に左右されることも多い。

その物件だけでなく周りの環境も大事!

→見た目はタイプでなくても意外と話してみると同じ趣味があったりするかも?

 

(3)

結局購入せず、高いローンに縛られたくないと賃貸にした人

→結婚せず、独身を貫く!

 

(4)

あの物件が忘れられず、見る物件見る物件すべてあの物件と比較してしまい、どれも良く見えない。

→過去のあの人が忘れられないため、次の彼氏も前彼と比べてしまう…

 

(5)

条件に当てはまっていても、荒を探して、少しでも綻びを見つけたら買えない人

→素敵な人なのに自分にはもったいないのではと、その人の悪いところを無理やり探しては前に進もうとしない

 

(6)

1度目の物件申し込みは別の人に、とられ

2度目もほかの人に取られ、

3度目の正直でやっと購入にたどり着けた人

→諦めずに好きになった人にはアタックするといつかは実る恋もある!

 

(7)

外観があまり気に入っておらず期待していなかった物件の

部屋の中を見たとたんに

一目ぼれしてそこに決めちゃった人

→全然期待していなかった合コンで特に気にも止めていなかった彼となんとなく横に座ったのでなんとなく話てみたら彼の優しさに意表突かれて心奪われゴールイン!

 

(8)

マンションの耐震性の不安があり、将来の不安に打ち勝てず、購入できなかった人

→売れないバンドマンと結婚しても本当に将来幸せになれるんだろうか…と結局未来への不安が打ち勝ちお別れに

 

(9)

予算はあるんだけれど、条件が厳しすぎて結局もう少しハードル下げたら絶対見つかるのに

条件を絞り切れず、妥協できず、条件にあう物件が全く出ない人

→すごく美人でスタイルもいいのに、男性への条件のハードルが高過ぎ

 

(10)

すごくすんなり素敵な物件に出会えて何も苦労せずに買えちゃう人

→大学から付き合ってた人と3年くらい付き合って社会人になってそのまま結婚

 

(11)

ローンの審査が通らず、買えなかった人

→親御さんの承諾が得れず結婚できない

 

(12)

ローンの審査は難航するも最後の最後まで物件が待っててくれて、なんとか最後のローンが通過承認し、購入できた人

→親御さんの承諾が得れなかったが、あきらめず挨拶しにいき誠意を見せた結果、やっと承諾してもらえた

 

 

このように様々なドラマがあるわけです。

 

私はそれを見るたび

結びつけるのは最初は私だけれど、それはあくまできっかけなだけであり

最終的にそれを引き寄せて、掴むのはお客様なのです。

 

購入することだけが正解ではないし、購入することで失敗することもあるかもしれない。

住まいを選ぶということは、人生の中でどういう暮らしをしていきたいかのターニングポイントだと思います。

どんな街に住み、どんな家に暮らし、どんな人と住んでいくのか。

 

大事にしたい気持ちは「どんな暮らしがしたいか」だと常々思います。

みんな幸せにはなりたいですしね。

 

その暮らしのためのお手伝いをできることに喜びを感じます。

 

そしてそこに住むお客様のよろこびを感じれたときは、私は自分の仕事に誇りに思います。

これからも皆さんの幸せのために物件探しのお手伝いをしていきたいと思います。