「リノベっていくらかかるの?」実例データから見る、広さ別の予算相場(マンションリノベ編)

リノベーションを考えるとき、多くの人が「結局いくらくらいかかるんだろう?」という疑問を持つのではないでしょうか?
リノベーションの費用は、物件の広さや施工内容、使う素材によって大きく変わるため、一概に「このくらい」と言いにくいのが実情です。しかし、過去の実績データを整理すると、おおよその傾向が見えてきます。
今回は、当社の実際のマンションリノベーション事例をもとに、「広さと予算の関係」「どのくらいの費用感が一般的なのか」を分かりやすくご紹介します。
1. なぜリノベーションの予算は分かりにくくなってしまうの?
リノベーションの費用感が掴みにくい理由はいくつかあります。
- 物件ごとに条件が異なる→ 同じ広さでも築年数や現況で費用が変動する
- 施工内容の自由度が高い→ 設備グレードや間取り変更の有無、デザインや仕上げの種類で価格差が大きい
- 明確な価格表がない→ 注文住宅と同様、オーダーメイド要素が強く、これをしたらいくらという価格表が作りづらい
こうした要因から、「○○㎡なら○○万円」と単純には言えません。しかし、過去の事例を整理すると、大まかな目安を把握することができます。
2. 自社の実績データをもとにした「予算の目安」
まずは、当社が過去5年間に手掛けたマンションリノベーションの平米数の分布をまとめました。
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60㎡~89㎡までの範囲がボリュームゾーンで、半数以上がこの広さ。
当社の施工範囲は都心エリアの東京都・神奈川県横浜市/川崎市が中心のため、そのエリアのマンションが対象です。都心エリアの分譲マンションの平均面積は60㎡台後半ですが、リノベーションではそれより少し広めの物件が選ばれる傾向にあるようです。
このほか、50㎡以下の主に単身世帯向けのリノベや、90㎡以上の広い物件も一定数の実績があります。
【広さごとの予算の傾向】
ここからさらに、当社が手がけたリノベーション案件を分析し、広さごとの予算分布と平均予算を算出しました。
なお、この金額には工事費・設計料(工事費の10%)・消費税(工事費+設計料の10%)が含まれています。
家づくり全体の費用としては、この他にもお客様の状況に応じて物件の取得費用や諸経費、お引越し代、家具代などがかかってきますが、今回はリノベーション工事に対して直接的にお支払いいただく金額についてまとめています。
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ここから傾向をまとめると、以下のようになります。
広さ(㎡) | 予算の目安(万円) |
---|---|
〜50㎡ | 600〜1100万円 |
50〜70㎡ | 800〜1600万円 |
70〜100㎡ | 1200〜2000万円 |
100㎡以上 | 1500〜3000万円以上 |
また、平米単価(予算 ÷ 平米数)を計算すると、おおよそ10万〜25万円/㎡(※追記あり)の範囲に収まることがわかりました。
例えば、
- 物件A → 32㎡ / 791万円(約24.7万円/㎡)
- 物件B → 68㎡ / 1485万円(約21.8万円/㎡)
この数値を参考にしていただくと、「希望する広さ × 平米単価」で、おおよその予算感をイメージしやすくなります。
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※2025.2.7 追記・訂正
10万円/㎡前後のご予算も例外的にみられますが、ここには住宅全体のリノベーションではなく、お部屋の一部のみなどの部分リノベーションのデータが含まれています。家全体をリノベーションする場合の予算感としては、最低でも15万円/㎡〜、最も多いのは20~25万円/㎡の範囲になります。
なお、当社の施工対象は原則、工事費300万円〜(+設計料10%+消費税)となる点にもご留意ください。
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3. 予算を抑えるための計画のポイント
リノベーション費用を効率的に抑えながら希望のお家を実現するためには、以下の点を意識すると計画しやすくなります。
優先順位をつける
- 間取り変更は必須か?
- → 大きな変更ほどコストも高くなります。大規模な変更が必要な場所はどんな部分なのか? なるべく既存の壁や床を活かした構造にできないか? と理想の暮らしに合わせて取捨選択をしていくことが大事です。
- 素材や設備、デザインのこだわり度は?
- → 仕様のグレード次第で予算が変動します。特に、水回りや造作家具などで、既製品の組み合わせではなくオリジナルのデザインを採用したい、という場合、予算が高くなる傾向があります。これらの場所に予算をかけるなら、他の部分はシンプルな作りにするなど、メリハリのある設計方針にすることで予算のバランスを取りやすくなります。
予算を抑えるコツ
- 間取り変更を最小限に
- → 既存の壁や床、配管、設備を活かすとコストダウンが可能です
- DIYや施主支給を活用
- → 照明や棚板などあとから取り付け可能なものは自分でつけるなど、「できることは自分でやる」と考えると予算を抑えることができます
- 人気エリアを避ける
- → リノベの予算の話からは離れますが、当然ながら物件価格を抑えられれば、リノベーションに予算を残すことができますね
4. 2020年以降の予算上昇の背景と、それでもリノベーションをおすすめする理由
2020年以降の資材価格の高騰、円安の影響、人件費の上昇、中古物件の価格自体の上昇などが影響し、リノベーションの総予算は近年上昇傾向にあります。しかし、それでもリノベーションには大きなメリットがあります。
リノベーションの魅力とは?
- 新築よりコストパフォーマンスが良い
- → 同じ立地・広さなら新築より割安
- 自分のライフスタイルに合わせた設計が可能
- → 在宅ワークや家族構成の変化に対応できる
- 素材やデザインにこだわれる
- → 無垢材や造作家具を取り入れ、自分好みの空間にできる
- 既存の建物を活かし、価値ある住まいを再生できる
- → 築年数が経った建物でも構造がしっかりしていれば、新築にはない趣のある住まいとして生まれ変わらせることができる
建売の新築やリフォーム済み物件は、万人受けするシンプルな内装になっていることが多く、「間取りや素材にこだわりたい」「個性的な空間にしたい」と考える人にとっては、仕上がりに物足りなさを感じることもありますよね。
リノベーションの最大の魅力は、「自分の理想の暮らしに合わせた住環境をつくれること」です。
リノベーションは、単に「家を新しくする」だけではなく、住む人の価値観やライフスタイルを形にするプロジェクト。自分にとって本当に心地よい住まいを実現する手段として、検討する価値は十分にあるのではないでしょうか。
古いものを活かし、再利用することの価値
さらに、これからの日本の空き家問題や、世界的な環境負荷への影響も見逃せません。
これから確実に人口が減っていく日本では、住宅が余っていく未来が予想されています。
しかし、家自体はあったとしても、古い状態のまま空き家として放置されていては「家はあっても住めない、住みたくないものしかない」という状態になりかねません。また、世界的な資源の枯渇やエネルギー問題も、このまま新しいものをいままでと同じペースで作り続けていては深刻になっていく一方で、改善は見込めません。
既存の住宅ストックを適切に再生して活用していくことは、個人個人にとっての満足度を上げるだけでなく、社会全体にとってもより重要な選択肢になっていくかもしれません。
5. まとめ
リノベーションの予算は、広さや施工内容によって大きく異なりますが、過去のデータから「50〜70㎡で800〜1600万円」「70〜100㎡で1200〜2000万円」といった目安が見えてきます。
また、近年は建築費の上昇や中古物件の価格高騰も影響し、過去の平均より高めの予算設定が必要になりつつあります。しかし、新築やリフォーム済み物件と比較して、自分の理想を反映しやすく、経済的で、環境負荷も低いという大きな魅力があるのも事実です。
「自分の希望するリノベーションがどのくらいの予算でできるか?」 と気になる方は、ぜひ一度無料の個別相談会やセミナーにてご相談ください。
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